7人の勇者の物語

概要

世界観

国・町

新生フランタミア王国

 第二王子を中心に真のフランタミアと名乗り上げている。第二王子派であった領地はもちろんそうでなかった領地も第二王子に従わざるを得なかった。
 反抗的なエルドラノールとは表立って対立し、侵攻を繰り返している。第一王子に恐怖し、圧力をかけているのもある。
 そのため、国は不安定になっている。ラモジアルは独立して上下ではなく横の関係になっているが今はそれを追求するのではなく、容認したうえで利用する方が得策として国として支援している。
 一方で国の一部にあったクランベラーナはシルヴィラーナに協力を仰ぎ独立している。

宗教国家シルヴィラーナ

 大陸の北西に位置する国。
 「世界教」という名の宗教を信仰している者たちで構成されている。教団の教えが強い権力を持っている。近年では世界が神であるという教えに対し、銀狼が神の現身とする「銀狼派」が誕生し、信仰者も増えている。
 世界派と銀狼派と分かれつつも世界が神であるという考えは共通していた。しかし、いつしか銀狼派は「銀狼教」として独立した。それをきっかけに対立が起きるようになり、銀狼教は新天地を求め世界の各地に散らばった。
 世界と人々の安寧に動く者には褒章を。世界を脅かす者には罰を。
 教えはあくまで神である世界を守ることに重きが置かれている。肉食草食の縛りはないが、必要な分だけを獲る。自然に大きく介入するべからず。
 治癒魔術師の聖地とも名高く、治癒魔法が発達している。銀雪の少女を過剰に頼る必要がない理由のひとつでもある。
 そしてこの国の先祖にあたるのが古代都市「トラッド」である。

機械国家ヌーヴェラスタール

 機械の国。魔法が発達しているこの世界で魔法よりも機械文明が発達している国。大陸の南西に位置している。共和制国家。鉱山を有していて、鉄製品の流通が盛ん。
 職人とそれ以外とで代表を決め、その者たちで国の行く末を話し合い決めていく。
 魔法技術は他二国には劣るものの機械や武具の発展が目覚ましい。その機械技術は魔法にも劣らないレベルまで上がってきている様子。
 機械国家という名をもたらしたのは、銀雪の少女。
 この国にやってきたその少女が持っていた機械が研究対象となり、現代のような精密機器といかないまでも、様々な道具を作っている。エネルギーに魔力を使用することもあり、魔力結晶は輸入している。
 空島墜落後は武具の需要が高まり、多くの戦で使用されることになる。その過程で戦に使う機械も開発されるようになり、武器方面でも機械技術が発展していく。

エルドラノール

 元々はフランタミアの町のひとつだった。
 その町の民はみな王女のことが好きで彼女を支えたいと思い力を貸している。
 現在ではフランタミアの第四王女プリムラとフランタミア第一王子が滞在している。
 国が割れた結果、フランタミアに拘った第二王子に対しあっさりとフランタミアの名は譲った。
 第一王子は王の座を辞退。元の領主でもあるプリムラを推薦する。
 しかし、現状はフランタミアとラモジアルに圧力をかけられており、それに対抗するにはプリムラは自らを力不足として身を引き、第一王子がこの国を治めている。

クランベラーナ

 空島墜落し国が混乱し、主導者が分かれ始めると複数人の領主がシルヴィラーナと交渉し、国を興した。そして、手を貸したシルヴィラーナ側は、実は銀狼教で国には銀狼教信者を増やそうとしているという目論み。こいつらが幅を利かせている。
 そのためスカイトラッドにいた銀狼教たちが隠れる場所として選んだのは彼らの手引き。
 しかし、そうした野心に燃える銀狼教徒で構成されているため、内部組織は腐り始めていた。
 またこの土地には古代都市の遺跡があるため、シルヴィラーナから圧力をかけられていて、いざこざがたびたび起こっている。
 新生フランタミア王国はエルドラノールと争っているので幸運にも戦火が広がっていない。

ラモジアル

 フランタミアの混乱に乗じて独立を宣言した国。新生フランタミアがエルドラノールとの戦いで両者を相手取ることは出来ないというのを理解しており、それを利用して、フランタミアと取引をしている。
 新生フランタミアとエルドラノールが戦っている横でエルドラノールに圧力をかけて媚びを売っている。

旧フランタミア王国

 大陸の中央に鎮座していた一大国家。その国土は中央を起点に東西南北へと広がっている。
 その広さは勇者が開拓・救済した土地。勇者伝説は根強く残っている。国土の広さから北は寒く、南は暑い。幅広い気候の国となっている。その広さ故に離れた場所だともはや別の国レベルの文化が築かれていたりする。
 しかし、第二王子率いる騎士団が空島を襲撃、その後に内乱が勃発。国は分断され、戦火が広がる。

廃都フランタミル

 フランタミアの首都。多くの民が暮らしている。王城を取り囲むように町が形成されている。
 しかし、都市の真上に位置していた空島の墜落し、その影響で人も住めない状態になった。

空島スカイトラッド

 空に浮かんでいた島。そこに住む者は銀狼教で構成されていた。※テンやアデリタ除く。
 騎士団の襲撃時、何らかの理由により墜落。真下に位置していた首都フランタミルを崩壊に招いた。
 実は謎の生命体の力を借りて浮いていたため、その生命体の活性化により崩壊→墜落となった。騎士団もろとも地面にたたきつけられることとなる。

古代都市トラッド

 プリンセスが産まれるよりもはるか昔、今は滅びた古代都市。今では考えられないほどの文明を築き、人々は暮らしていた。
 その陰には謎の生命体『ルインシード』の発するエネルギーがあった。そのエネルギーはそのままの状態では使用することはおろか、精神を侵されてしまうため、封印する必要があった。
 それが人柱を用意し、世界とひとつにすること。神は世界で、世界は神だった。古代人たちがのちに「神なる種族」として崇められる所以である。
 古代文明が発展する前の神秘の技術であり、現代(本編軸)では失われている。封印するもエネルギーを完全に遮断することは出来ず、余剰エネルギーが漏れ出ていた。
 古代人はそれを利用し、文明を発展させた。
 それはもしかすると余剰エネルギーですら人を魅入らせるほどの力があったのかもしれない。生命体の恐ろしさが伝聞でしか知らない世代になってくると、さらなるエネルギーを欲するものが現れ、封印を解こうとした結果滅びの道を歩んだ。
 神なる種族はこの時に多くが亡くなり、残されたものはこれを教訓とし残された者たちで封印を繋ぐことにした。
 それから何世代にもわたり繫栄することなく徐々に人口を減らしていったが、この時にプリンセスがこの集落に訪れることになった。
 既に若い者しか残っておらず、プリンセスが人柱の少女の代わりに世界と一体になることを強く止められるものはいなかった。
 また、長き封印に耐えられるよう古代人は精神構造をいじっているそうで、それ以外の者が人柱になると精神の摩耗が激しいとのこと。

あらすじ

 未定

キャラクター

7人の勇者

勇者A

 長命種の森にて育てられた少年。

勇者B

勇者C

勇者D

勇者E

勇者F

勇者G

7人の勇者の母

勇者Aの母(テン)

 後述。

勇者Bの母(実験体にされた研究対象)

 異世界に来たばかりのころに人さらいに遭い、オークション行き、落札される。購入したのは研究者で、銀雪の少女を調べ上げる。
 肉体、体内に宿した蜜。その蜜の成分や効能。その蜜が羊水にも含まれることで赤ちゃんに影響を与え、勇者の強靭な肉体となるものと仮定。
 実験の一環として少女を孕ませ、勇者が誕生した。勇者についても研究を進めているらしい。

勇者Cの母(貴族に買われた少女)

 奴隷として貴族に買われた少女。蜜の売買を目的として飼っていたが、世界の情勢を見て勇者が必要であることを察する。
 その貴族の男は勇者伝説に憧れていた。勇者のやさしさではなく、名声に。少女を乱暴に犯し、子を孕ませることとなった。
 誕生した勇者には自分の英雄像を押し付け、厳しく教育した。そのおかげで戦う術を手に入れた勇者だったが、自分の意思を出すことを恐れるようになる。
 母となった少女は、ないがしろにされたわけではなかったが、男の興味から外れ、雑用に従事していたが、侍女たちからよく思われておらず、まもなく衰弱し死亡。
 母の死亡を知り、勇者は反乱を起こしその貴族や侍女たちも殺されたという。その場にいたものは勇者しか生き残っておらず、そのことを語らないため、真相は不明。

勇者Dの母(魔物に孕まされた少女)

 異世界に連れてこられて、人と会うことなく奴隷にならなかった少女。だが、その代わり遭遇したのは魔物であった。
 魔物に性欲をぶつけられ、子を孕んだ。その子を産んだのち少女は命を落とした。
 少女に精を吐き出し続けた影響か、魔物にも意識が芽生え(元の人間としてではなく新たな生物として。と言っても人間がベース)その子どもは魔物によって育てられることになった。

勇者Eの母(生贄の少女)

 人里に辿り着き、運よく保護された少女。
 言葉も覚え、生活にも慣れるほどの期間が経ち、儀式が行われることとなる。
 一定の年齢に達した少女からひとり巫女として選ばれ、その身を神に捧げることで、民の安産祈願と子孫繁栄を願うものである。村民から選ばれたが、少女が代わりを名乗り出る。
 内容を理解していた大人たち(特に女性)はそれを止めていたが、巫女候補の少女たちの後押しにより、彼女に決定する。
 その儀式は、神をその身に降ろした村の長と交わりを行うものである。結果、少女は妊娠した。交わりは1回のため、妊娠するものもしないものもいる。少女はした。
 出来た子は村人たちの協力を得ながら育てていくことになる。勇者の力があるとは知らずに。

勇者Fの母(半獣化が進んだ少女)

 村で保護されるも蜜に対して身体が異常反応を示し、肉体の獣化が進んでしまう。それが原因で人から恐れられ、追い出されてしまった。
 長命種に拾われ、彼らの住処に誘われる。
 彼らと共に過ごす間にそのなかのひとりと恋仲となり、二人の間には子が産まれる。
 長命種の里で多大な知識と共に育てられることとなる。

勇者Gの母(領主の娘として育てられた少女)

 異世界に連れてこられたのち、紆余曲折ありその土地の領主のもとへと辿り着く。そして領主の娘と似ているということもあり、姉妹として育てられることになる。
 しかし、領主は病死しその土地は別の貴族によって統治されることになる。領主の家族や従者たちは散り散りとなり、少女もまた貴族の侍女となった。
 従者との仲は悪くなかったが、貴族の息子に見初められもうアピールされる。彼のことは好きではなかったが、彼の頼みを強く断れることは出来ず、受け入れざるを得なかった。
 その過程で子を宿し、産まれた。
 従者たちのサポートもあり、子どもとの関係は公表されないまま領主の息子の子として育てられることになる。

昔の人

勇者セシリオ

 フウカ・モチヅキの息子。銀雪の少女から産まれた彼はすごい力を秘めていた。大人数人がかりでも倒せない魔物を一人で倒すほど。
 魔物を倒し続けていると英雄としてもてはやされ、いつしか彼のいた村は発展し王国『フランタミア』へ。フランタミアの国土のほとんどがセシリオの手によって救ってきた大地である。
 彼は魔物退治と各地で発見した銀雪の少女の保護を続けて暮らしていた。
 しかし彼は貴族や権力者に疎まれるように。銀雪の少女を独占していると。
 彼亡きあと、権力者たちは銀雪の少女の捕獲に乗り出した。
 銀雪の少女の「蜜」は戦を起こしてでも奪い合われた。

フウカ・モチヅキ

 過去にいた銀雪の少女。銀狼の薬蜜の著者であり、勇者セシリオの母。

前作キャラクター

テン

 銀狼の薬蜜の主人公。
 空島襲撃の時、何もできずケーテ、ティロット、ルナともに逃がされることになる。
 辿り着いた「銀狼教」の小さな組織によって保護される。だが、その代わり銀狼様として祀りたてられることになる。聞こえはいいが、体のいい道具である。
 その過程で銀狼教にもっと力を持たせたい権力者たちはテンに子ども、すなわち勇者を産ませることにした。
 しかし、特定の男性が父親では実質権力を持たれてしまうことを恐れ、不特定多数の信者と交わらせた。その中にはティロットも含まれている。若い彼には選択の余地はなかった。幸か不幸かティロットの子種で妊娠したのは証明は出来ない。
 その後、無事勇者は産まれる。テンは精神崩壊の寸前で子どもに笑顔を向けることはあってもあまり感情を表に出すことが無くなっていた。言葉数も減り、ただそこに座っているだけの生活。
 男性信者たちの多くは自分の子種で産まれたと思っているものも多く、テンの子になれなれしい者も多かった。それがテンの子にとっては気味が悪かったそうだ。
 そして、それから数年後にティロットとテンの子の三人で銀狼教から逃亡。その途中でティロットは追手により死亡。まもなく、テンも体力が続かず死亡してしまう。

 最期に愛情を息子に伝えられたのが不幸中の幸いか。

アデリタ

 空島襲撃時、テンたちを逃がすために騎士団に立ち向かい死亡したとされている。
 正確には空島墜落により生死不明。
 実は何とか生存し、名前を変えてひっそり暮らしている。
 逃げ伸びたテンの子と奇跡的に出会い、素性を知らないまま彼の面倒を見ることになる。

ケーテ

 空島襲撃により、テンたちとともに逃げ伸びた。
 彼女は祀り上げられるテンの様子を見ていることしか出来ず、何も助けになることは出来なかった。
 テンとティロットが自らの子を連れて逃げ出した時、彼女はその場にはいなかった。
 今もなお、銀狼教の信者たちと共に暮らしているらしい。テンという神を失い、腐りゆく組織の中で信者の少女たちはみな銀狼の代わりとして扱われるようになり、ケーテ含め少女たちは男性たちの慰み者として扱われているという噂もある。

ティロット

 空島襲撃により、テンたちとともに逃げ伸びた。
 テンが祀り上げられるのは我慢していたもののその後の仕打ちに対しては抗議をしていた。
 しかし、彼にテンを連れてどこかへ逃げ伸びる力もそれを阻止する力もなかった。
 甘んじて受け入れることしか出来なかった。
 テンの妊娠後はテンの見もの周りの世話や食事の世話などを買って出ることにした。
 テンの子が産まれた後は、テンの子が自分を父親だと思わないよう距離を置くようにした。

 その行動は裏目に出て、権力を欲した大人たちの行動を嫌ったテンの子がティロットを慕うようになる。いつしか思いは募り、テンとその子を連れて銀狼教を脱出。

 逃亡途中に追手に見つかり反逆者として始末され、死亡する。

ルナ・モチヅキ

 勇者セシリオを父に持つ銀雪の少女の血を引く者。
 アデリタの祖母。
 勇者の血からか長命になっているが、子どもを産んだのち、若返り続けていた少女。
 若返りは一定ではなく、若返る時期と年齢が止まる時期がありアデリタの祖母に当たるが、実際に生きた年数でいえば何世代も前から生きている。子どもを産んだ時期は不明。
 娘の嫁ぎ先のレーンクヴィト家の庇護下に入るも彼女の意思でその家から出ていくことに。
 それからは「蜜」を持たないのに銀雪の少女としてさらわれたこともあるらしい。
 蜜が出せなければ粗雑に扱われることもしばしば。勇者の子どもたちは皆同じ。
 しかし、何かが原因でその若返りも止まっているらしい。
 娘の名前はセシリー・レーンクヴィト。夫はもう亡くしている。

プリムラ・エルノワ・フランタミア

 フランタミアの第四王女だった女性。髪は輝く様に煌びやかで、透き通る白い肌、そして、宝石のように綺麗な瞳。まさしくお人形のように美しい方。
 王位継承はついぞ叶うことはなく国は分断されることになる。
 元々気が合う第一王子率いる一団を迎え入れ、争いにより行き場を失った難民をエルドラノールに迎え入れている。
 彼女は民にとって癒しでもある。
 国の政治は兄である第一王子に任せて、自分は町の人々を守ることに専念している。
 テンの安否を気にして、情報を集めているが手に入るのはテンの子が訪れた時。

ウィルベルト・アルヒマキ

 騎士団元副団長。騎士団の副団長を辞め、プリムラ付きの騎士になったことで空島墜落から逃れる。その後、国の内乱がはじまるとエルドラノールに難民を受け入れる。
 ウィルベルトがいることがエルドラノールの民の支えのひとつになっている。

ギーゼルヘール・ブランクデン

 ウィルベルトと共にエルドラノールの守護についている。
 騎士として戦い方面よりも頭脳により町の運営の方に割かれている。

ダラ

 ウィルベルトと共にエルドラノールの守護についている。
 ギーゼルヘールが戦わない分、魔物や賊、反乱兵から町を守っていた。しかし、途中で負傷し前のように戦うことは叶わなくなる。今は無理しない程度に身体を動かす仕事をしている。

設定

勇者

 銀雪の少女から産まれる子ども。
 彼らには銀雪の少女の持つ「蜜」が体内を流れている。しかし、その「蜜」を受け継ぐと母親の持っていた「蜜」は母親自身の体内から失われてしまう。
 「蜜」の影響によりその肉体は強靭なものとなっており、身体能力も人並み外れているという。世界で有名になった人物が「勇者」と呼ばれ、その異質な出自と共に広まった結果、銀雪の少女の子に対し「勇者」という呼び名がつけられるようになった。
 その強さは、大人が数人がかりですら苦戦する魔物を一人で倒せるほど。それゆえ権力者は銀雪の少女を手中に収めると、「蜜」を取るか「勇者」の名声を取るかを選択する。
 戦が起こり、勇者を必要とされたことで、各地で産まれることになる。
 ただ徒党を組まれ反乱が起これば人間に勝ち目はないし、そもそも銀雪の少女自体が幻に近い存在であったため
 多くの勇者は産まれることなく、のちに確認されるようになるのは7人。その7人が長き因縁と立ち向かうこととなる。

魔物

 動物でもなければ、実体のないお化けでもない。正体不明の生物。魔物。それは積極的に人間を襲うことはないが、神出鬼没。現れれば周囲の人はモノが失われる強さを持っている。
 魔法と何らかの関係があり、悪しき存在という意味も込めて魔物と呼ばれている。
 発見されてからしばらくは意思を持たず暴れるだけの存在と思われていたが、長き時を経て、意志を持つ存在も現れる。それらは次第に人間のように集まり暮らすようになる。
 彼らは種族として呼び名も魔族へと変化し、それを統制する王は「魔王」と呼ばれた。
 その正体は銀雪の少女が異世界から来た少女であるのに対し、異世界から来た少年がベースとなる生き物で、少女が蜜という体内に変化を起こすのと対称的に「肉体の強い変化」と「破壊の力」「破壊衝動」が特徴的である。
 彼らに人間だった頃の意識はなく、ただ苦しみだけがその肉体を覆っている。それもそのはず、それは謎の生命体『』の力に由来しているからである。
 異世界の壁には謎の生命体『ルインシード』の原液ともいえるエネルギーが流れており、それを浴びることで生じる変化である。
 少女と少年でなぜ違うのかそれは未だはっきりしない。神なる種族の人柱が女性であることが関係しているかもしれない。

銀狼

 森に棲んでいた謎の銀の狼。銀雪の少女と関係があるとかないとか。銀雪の少女が何らかの力が働いて狼の姿になる。

銀雪の少女

 体内に万病を直すとされる「蜜」を宿す少女達。
 彼女らには狼の耳と尻尾が備わっているのが特徴である。権力者たちからはその蜜を欲され、それを巡り戦も起こる。
 フランタミアの権力者にとって人としての権利をはく奪し、モノとして扱った方が都合よく、その多くが奴隷として身をやつしている。

銀狼の薬蜜

 フウカ・モチヅキ著。銀雪の少女の排出する「蜜」を素材として薬日調合法が載っている本。

世界教

 世界が神さまそのものである考えを軸に信仰される宗教。
 神様の身体を借りて自分たちは暮らしている、という考えが教えの中心になる。→ゆえに自分たちの暮らす大地や自然は大切にする。
 これは古代都市にて行われた人柱を用いて封印をしたことが始まりだった。人柱となり、世界と一体になって世界を巣食う生命体を封じ込める。それが神の所業として伝わったものである。
 人柱として世界を担ったものへの道義としての教えだったが、古代文明が滅ぶと諸々の事情は失われる。
 いつしかそれは信仰の対象になった。

銀狼教

 世界教から派生した宗教。
 世界のいずこから現れた銀狼(≒銀雪の少女)こそが神の現身であるとされている。実際は世界の異変で別世界から連れ去られただけの少女なのだが、それは誰も知りえない。
 神の現身であるとされているのは、やはり彼女らの持つ万病を治す「蜜」である。それは神の御業。人々を救うチカラである。
 銀雪の少女を信仰対象として祀り上げ、信仰心を高めている。しかし、実情としては彼らのもとに銀雪の少女が現れることはほとんどなかった。アデリタが連れてきたテン以外は。
 世界教とは対立関係というほどではないが、銀狼教のやり方に気に食わないものも多い。それはさながら反抗期を迎えて迷惑をかける子どものよう。

謎の生命体「ルインシード」

 異次元より飛来した謎の生命体。
 古代文明を滅びに導いたことからついた名が破滅の種子「ルインシード」星のエネルギーを養分とし、成長を続ける。
 星から吸い上げたエネルギーは自らの体内で昇華され、その別種のエネルギーが星へと漏れ出て、それが魔力と呼ばれるものとなる。
 この生物の目的は星を養分とし成長→星の破滅と共に別の次元に種を飛ばすこと。その種はまた別の次元で星のエネルギーを吸い出しの繰り返し。星の破滅と共に母体は力尽きる。
 そのエネルギーには人を惑わす力があるとされ、古代人もそれにあてられ滅びた。
 魔法が普及して問題が起こっていないのはエネルギーのほんの一部を利用しているからにほかならない。母体の発するエネルギーは凄まじい。
 この生命体には言語を操る知能はないが、自らを守るすべに対しては学習能力が高く、あらゆる手段を用いて自らの肉体を守ろうとする。
 人が魅入られてしまうのもそのひとつなのかもしれない。

プリンセスの話※銀双環の舞巫女にも同様の話載ってます。

 そこには王女らしく振舞うことを嫌うプリンセスがいました。どちらかと言えば王子様のよう。カッコよく凛々しく、思いやり弱気に手を差し伸べる。そんなお姫様でした。
 家臣たちも貴族たちも彼女の破天荒さには呆れるばかりです。
 ある日、彼女は城を抜け出して誰も立ち寄らない森へと踏み入れました。だけど、彼女は森を歩き慣れておらず迷ってしまいます。森の奥で出会ったのは世界とひとつになるための装置とその人柱になる一族の末裔。
 一族の末裔は不思議な雰囲気を持つ少女でした。彼女は迷い込んでしまったプリンセスを追い返し城への帰るよう伝えました。
 しかし、それで終われるプリンセスならお城を抜け出して森へなど来ません。
 それからも隙を見て少女に会いに行きました。何度も何度も何度も。
 その様子に少女も徐々に絆されていき、仲良くなっていきます。そんなある日、少女は自身の一族とその役目について話しました。それを聞いたプリンセスは少女の代わりになることを決意。
 
 事件は少女が人柱になる日に起こりました。プリンセスが少女の代わりに人柱になってしまったのです。それから少女は悲しきに明け暮れ、国はプリンセスがいなくなったうえ事の真相を知り大混乱。
 それとは逆に世界に平和が訪れていきました。それはプリンセスがそう願っているかのように人々の心が落ち着き安らぎ、幸せな世界へと歩み始めました。

 だけど、それは長く続くほどに崩れていきました。気づいた時には遅く、プリンセスの精神状態は心の空腹に蝕まれ始めていて人柱の交代は叶わなくなっていました。
 災害や争いが増えていくほど人々の心も荒れていきます。
 家臣たち(の末裔)は世界を救う方法をさがしますが、前例は存在せずどうすることも出来ません。そんなとき、世界とひとつになったプリンセスは隣り合った世界を食らおうと接触を始めたことを知りました。
 彼らには他に方法がないともうひとつの世界へと助けを求めるため、世界間を移動しました。
 プリンセスの心を満たせる誰かを求めて。

年表

星封歴=シルヴィラーナの制定した暦
勇聖歴=フランタミア王国の制定した暦
どちらも仮称。

✿紀元前3000年前
 世界にルインシードが飛来。
 星のエネルギーを養分として成長し続ける。
 長い時を経て大地に埋もれていく。

✿紀元前1000年ごろ
 人類は古代都市なる『トラッド』が築き上げられる。
 古代人はルインシードのエネルギーに魅入られていた。
 そのままでは魅入られ、精神を持っていかれることを知った古代人たちは自らの技術で封印することに成功する。
 それが人柱として、その身を世界とひとつにし、ルインシードを抑え込むこと。
 抑え込んでも漏れ出るルインシードの余剰エネルギー。それがトラッドの発展の一端を担っていた。そのエネルギーを利用して作ったものは現在には存在していないオーパーツばかりである。
 神は世界で世界は神だった。のちに彼らは「神なる種族」と呼ばれることになる。

✿星封暦0年
 『シルヴィラーナ』の建国と共に制定された紀年法。
 古代都市『トラッド』が滅亡したのち、生き残った者たちが建国。
 世界の人柱を続けながら世界の安寧を保つ。
 この時に世界を守るために世界教も始まる。

✿星封歴1500年ごろ
 トラッドの血を持つ民たちは「神なる種族」として、人柱に選ばれていたがこの時期に流行り病により多くが亡くなり、血が途絶える寸前となっていた。
 それから数世代を経たものの繫栄することなく人口を減らし、数名だけを残したその年にやんちゃしていたプリンセスが城を抜け出し、人柱の森に訪れる。
 プリンセスと人柱予定だった少女の出会い。何度も訪れるほどに親密になる。
 少女の使命を聞いたプリンセスは、自分が世界と一体になることを志願した。
 そうしてプリンセスが人柱として世界と一体化することになる。
 それから何千年も代わることなく世界と一体化し続けることになる。

✿星封歴3000年ごろ
 プリンセスの精神汚染が始まる。世界と一体化したプリンセスは精神の飢餓状態により別世界に接触し、その世界の人をこちらの世界に引き込み始める。
 そうして連れてこられた少女が『銀雪の少女』狼の耳と尻尾を持ち、髪は白くなり、体内に蜜を宿した人間として転移する。そのひとりがフウカ・モチヅキ。のちに勇者となる子を産む少女である。

✿星封歴3010年~3015年ごろ
 この時期にのちの勇者セシリオが誕生したとされる。母はフウカ・モチヅキ。プリンセスの精神汚染により荒れた大地より現れた魔物に人々は恐怖したが、大人が数人がかりでも倒せない魔物をセシリオは一人で倒したという。
 それがセシリオ伝説の始まりであり、いつしかセシリオは大陸を渡り歩き各地の魔物を退治して人々を救っていった。

 この頃に世界教から銀狼教が派生する。世界のいずこから現れた銀狼(≒銀雪の少女)こそが神の現身として崇められる。

✿星封歴3020年/勇聖暦0年
 フランタミア建国。
 勇者発祥の地を中心にセシリオが救ってきた土地を国土とする王国が誕生した。
 それに伴ってフランタミア独自の紀年法として勇聖歴というのも生まれた。

 この時期に「銀狼の薬蜜」と呼ばれる本をフウカ・モチヅキは出版している。
 またルナ・モチヅキが産まれたのもこの時期。

✿星封歴3050年/勇聖歴30年
 王となったセシリオは各地で連れてこられた「銀雪の少女」の保護とその原因究明に力を入れた。
 しかし、「銀雪の少女」には万病を治す【蜜】を宿しており、貴族たちはそれを独占しているかのように王を疎んでいた。
 そのため、王には秘密裏に「銀雪の少女」を捕らえ奴隷として確保する貴族もちらほら現れる。

✿星封歴3060年/勇聖歴40年
 セシリオ崩御。セシリオの息子が王位を継ぐ。
 だが、セシリオほどの求心力はなく、貴族たちが割れる。
 セシリオ亡き後、貴族たちは「銀雪の少女」の捕獲、奴隷化を公然と行うようになる。
 反発する者もいたが、銀雪の少女が生み出す【蜜】と【第二の勇者】の可能性は多くの貴族を魅了した。
 

✿星封歴3300年/勇聖歴280年
 空船が開発され、今まで行くことが叶わなかった空島へと上陸する。
 空島は「スカイトラッド」と名付けられ、いつしか銀狼教が集まり町を形成する。
 余談だが、世界教はシルヴィラーナに留まり続ける教徒が多いのと対照的に銀狼教とは世界各地に広がっていき、各国に一定数いるほどの規模になっている。

 また時を同じくして共和制国家「ヌーヴェラスタール」の建国。
 銀雪の少女が持っていた機械を研究することで魔法とは異なる可能性を見出し、発展していく。銀雪の少女が特別扱いも奴隷扱いもされない人としてあれる唯一の国である。

✿星封歴3360年/勇聖歴340年
 銀雪の少女『テン』がこの世界に降り立つ。
 しかし運が悪く、人さらいに遭い奴隷オークションに出品され、高額で取引される。
 この時にアデリタによって競り落とされる。
 アデリタはテンの隠し場所としてスカイトラッドを選択し、そこで住むようになる。
 テンはそこでケーテやティロットと出会う。

✿星封歴3361年/勇聖歴341年
 【銀狼の薬蜜本編】テンはつかの間の平和を享受し、フランタミアの第四王女プリムラやセシリオの娘であるルナ・モチヅキと出会う。
 
 同年、世界は急変する。
 第二王子を旗印にした騎士団が空島『スカイトラッド』を襲撃、空島の住民の多くが命を落とし、アデリタは生死不明。テン・ケーテ・ティロットは一部の銀狼教徒とともに空島から脱出。逃げ延びる。
 騎士団は空島の中枢を破壊し、墜落させる。落ちた先はフランタミアの首都フランタミル。
 この時多くのものが犠牲になり、フランタミルは人の住めない土地へと変貌する。
 国は混乱、そしてフランタミアの侵攻が始まる。

✿星封歴3362年/勇聖歴342年
 第二王子派のものたちを中心として新生フランタミア王国が産まれ、それに反発する形でエルドラノールは第一王子と第四王女を旗印に国として独立する。
 また、フランタミアの一部の有力者がシルヴィラーナへ助けを求め、『クランベラーナ』が誕生、混乱に乗じて『ラモジアル』も独立を宣言し国を興した。

 実はシルヴィラーナ側の使徒が銀狼教徒であり、クランベラーナに銀狼教の国にしようと画策している。しかし、シルヴィラーナはクランベラーナが調子づかないよう圧力をかけている。
 一方、ラモジアルは独立したものの、新生フランタミアとエルドラノールの戦いで両者を相手取ることは出来ないと理解しており、新生フランタミアに媚びを売って存続を図る。

✿星封歴3363年/勇聖歴343年
 銀狼教の勢力拡大のため、テンが銀狼様として祀り上げられる。
 翌年、ルナは虐げられたことがきっかけとなり出奔。テンの前から姿を消す。
 ケーテとティロットは、テンの世話をしながら支えることになる。

✿星封歴3367年/勇聖歴347年
 銀狼教の教団はさらなる求心力として、勇者も欲した。
 特定の人物に権力が集中することを恐れ、父親が誰か特定されぬよう不特定多数の信者とテンを交らわせる。選択の余地がなかったティロットもまたここに参加させられる。
 のちに誰も知る余地はないが、テンが産むのはティロットの子である。

✿星封歴3368年/勇聖歴348年
 テン出産。勇者が産まれる。
 度重なる仕打ちの結果、テンは言葉数が少なくなり感情も表に出さなくなった。まさしく人形のような存在へと変わってしまう。
 教団にとっては都合がよかった。

✿星封歴3373年/勇聖歴353年
 テンの子(5歳)は大きくなるにつれ、自分の子だと勘違いしている男性信者たちは勇者にすり寄るように近づき、気味の悪い幼少期を過ごす。

✿星封歴3374年/勇聖歴354年
 教団の扱いに耐えかねたティロットはテンとその子を連れて逃げ出す。
 余裕のなさと危険であることからケーテは残していった。
 しかし、追手によりティロットは捕らえられ背信者として死亡。
 テンもまた心労と体力の消耗により、力尽きる。最後には息子に愛情を伝えられたという。

 幸運にも逃げ延びた先は長命種が住む森の中であり、一人きりになったテンの子は保護され、追手は長命種により追い払われる。
 その先にある村にてテンの子は暮らし始める。そこには生死不明となったアデリタやクランベラーナから抜け出したルナがいたが、彼女らは彼の母親がテンであることは知らない。

✿星封歴3382年/勇聖歴362年
 成長したテンの子はアデリタや長命種のもと、成長し自らのルーツを辿るための旅に出ることを決意する。
 時を同じくして、新生フランタミア王国とエルドラノールの戦いは激化の一途をたどっており、ヌーヴェラスタールは中立の立場を維持し両国に武器の提供をしていた。
 ラモジアルは新生フランタミアに与し、エルドラノールに圧力をかけている。
 エルドラノールの戦いが劣勢の中、テンと友人となっていたプリムラは今もなおテンの安否を気遣って情報を集めていた。しかし、テンは人知れず亡くなっていることを知るのはテンの子が旅で訪れるその時だった。

 そしてルーツを知るために旅立ったテンの子を中心に各地で産まれた勇者たちが集い、世界の因縁を知り、世界を救うための冒険が始まる。

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